前回は、悪徳業者にだまされないためのポイントをお伝えしましたが、だまされないためには、実際どのようにして外壁塗装をおこなっているのかを知っておくことも大切です。
そこで今回は、一般的な外壁塗装の施工の流れや、仕上がりのチェックポイントについてご紹介します。
準備~下地まで
●足場の組み立て
足場は塗装工事の品質を左右する重要なもの。足場をしっかり用意することで職人も安心して仕事に取り組むことができます。職人の安全以外にも近隣様へ配慮し、塗料が近隣の建物につかないよう、足場をおおうように飛散防止用のネットを張ります。
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●高圧洗浄
外壁についた汚れや藻、コケ、古い塗料、チョーキングの粉などを洗い落とすため、高圧洗浄をおこないます。塗料本来の機能を活かすため、壁の不純物を取り除き、塗料を壁に密着しやすくします。
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●養生作業
ドアやサッシ窓など、塗料をぬらない部分はビニールでおおって保護します。全ての箇所を保護するため時間はかかりますが、塗装の仕上がりにも影響してくるため、丁寧におこないます。
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●下地調整
ひび割れや剥がれを処理したり、鉄部にサビ止めを塗ってサビの発生を抑えます。ひびが0.3ミリ以ある場合は、表面だけでなく構造にも影響があるため、しっかりと対処します。
塗装箇所と塗り方
塗装箇所は、軒天(屋根の真下、裏の部分)→ 外壁 → 屋根 → その他(雨どい、戸袋、雨戸など)の順番が一般的です。
また、塗装の基本は、下塗り・中塗り・上塗りの3度塗り。下塗りは下地専用塗料を使い、中塗り・上塗りは通常、同じ塗料を使用します。下塗りは塗料を密着させるために非常に重要な作業ですので「下塗りはしません」「下塗りはしなくても大丈夫」という業者は注意が必要です。
●下塗り
下地と上塗りの塗料を密着させる接着剤のような役割をします。下塗りが不完全な場合、塗料がはがれるなどのトラブルの原因になります。
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●中塗り
塗料本来の機能を発揮するためには、一定の厚さで塗る必要があります。中塗りは塗膜の厚さを確保するためにおこなう作業です。
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●上塗り
最後の仕上げとして行う作業が上塗りです。塗料に十分な厚みを持たせることで、雨や紫外線から大切な家を守ります。
施工時のチェックポイント
全ての作業完了後は施主様立ち合いのもと、施工箇所のチェックをおこないますが、ここでは塗りムラなど目で見える範囲のチェックしかできません。
大切なのは高圧洗浄や下地調整など、塗装前の下処理です。そのため、施工業者に各工程ごとの作業状況を写真で残してもらうという方法があります。
足場解体後に仕上がりの不備を見つけた場合、再度足場代が必要になる場合もありますので、チェックは慎重におこなって下さい。